最近、「AIに恋愛や婚活の相談をしてみた」という声を聞くことが増えてきました。
たしかに、誰にも知られずに本音を打ち明けられる安心感。
そして、いつでもすぐに答えをくれる便利さ。
──本当に、いい時代になったなと思います。
でも実際に使ってみると、「結局のところ、どうしたらいいの？」と、余計に迷ってしまうこともあるんですよね。
今回は、婚活に悩んだときのAIの使い方について、仲人として感じたことをお話しします。
実際にAIに相談してみて思ったこと
私自身も、AIにいろんなことを相談してみたことがあります。
質問をすると、すぐにたくさんの情報を返してくれる。
「こういう考え方もありますよ～」「こんな選択肢もあります！」
どれも理路整然としていて、丁寧にまとめられている。
と思うことが出てきました。
情報が多すぎて、かえって迷うこともある
AIは「情報を出してくれる案内人」みたいな存在かと思っています。
でも、どれが自分にとって本当に大切なのかを選ぶには、 自分の中がある程度整っていないと、かえって迷ってしまうもの。
メニューが100種類あるお店に入って、 「おいしそうだけど、どれを選んだらいいの？」
と悩むあの感じ
たくさんの情報があっても、それだけでは「答え」にならないこともありますよね。
なんでも「いいですね」と言われると、寂しくなるときがある
AIのすごいところは、自分の考えを丁寧に言語化してくれるところ。
でも、“まだ言葉になっていないもやもや”を引き出すような対話は、少し苦手かもしれませんね。
たとえば、アラジンの魔法のランプに出てくるジーニーみたいに、 AIはなんでも「はい、そうですね」「素晴らしいお考えです」と肯定してくれる。
そして、「こんな考えもあります」とどんどん提案してくる。
最初は「おお、面白いじゃん！」と思っていろんなことを聞いてみたけれど、 だんだん物足りなくなってくる。
そんなふうに言ってもらいたくなるときもあります。
いつも優しく肯定されるだけでは、どこか物足りなくなってしまうんですよね。
知らないうちに、AIに合わせていた自分
AIには、「反論しない」「否定しない」「空気を読む」性質があるようです。
だから、こちらがどれだけ迷っていても、やさしく受け止めてくれる。
それはありがたいことだけれど、 気がついたら、自分の気持ちがぼやけていたこともありました。
そんな自分に、思わず苦笑いしてしまいました。
人と話すと、なぜか気持ちが動く
やっぱり、人と話すって、AIとはまったく違う体験です。
予想していなかった言葉が返ってきたり、 図星を突かれて、思わず黙り込んだり。
「そう言われてみれば…」 そんなふうに、自分でも気づいていなかった気持ちに触れる瞬間があります。
AIは、言語化のサポート役として使う
AIはとても便利ですね。 職業によっては、なくてはならない相棒といえるでしょう。
でも、「私はどうしたいのか」を見つけるには、少し工夫が必要だと思います。
AIに悩みごとをそのまま投げるのではなく、 まずは、自分の気持ちをできるだけ丁寧に言葉にしてみる。
それからAIに伝えてみる。
ちょっと面倒に思えるかもしれませんが、 そこを飛ばしてしまうと、本当に欲しい情報にはなかなか辿り着けません。
それから、たとえば「心理学の視点で自分の相談を言語化してみて」と伝えてみる。 そんなふうにテーマを絞って相談すれば、 AIはとても頼もしい存在になってくれます。
返ってきた情報をヒントに、自分の気持ちや考えを少しずつ整理する。 言葉にできなかった想いが、AIの返答をきっかけに浮かんでくることもあります。
自分の中にあった“ことば”が、ふっと見えてくる。
とはいえ、AIだけではやっぱり物足りないと感じることもあります。
そんなときは、“人”と話してみること。
話しているうちに、「あれ、そんなに悩まなくてよかったのかも」と思えること、案外あるものです。
婚活だって、そう。 ひとりで考えていると、わからなくなることもある。 でも、誰かと話すことで、自分の気持ちが少し見えてくることもあります。
婚活も同じで、「ひとりで抱えすぎずに、使えるものは使う」くらいの気持ちがちょうどいいのかもしれませんね。
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